なんばゆき
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・福岡県出身 ・現在ベトナム在住 ・夫1人息子1人 コメント、トラックバックは受け付けておりません。ご意見ご質問のある方はメールでお願いします。m(__)m uzu@uzugallery.com http://uzugallery.com/ 姉妹ブログ:UZU and Co. カテゴリ
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今日は私が通う漆のアトリエ、ワークショップをご紹介します。
ここはベトナムの首都ハノイ市にある「自然の漆」のギャラリー&ワークショップです。漆を愛する2人の漆画家+友人の3人のパートナーシップで運営されています。いまやハノイのどこの店にも「自然の漆」で描かれた絵や漆器はまず置いてありません。99%は人工の漆のものです。おっと、この話になると突然、力が入ってしまいますので、本漆と人工漆については、また別の日に……。σ(^^) ハノイの北側にあるこの工房は、Cay Sonといいまして、意味は「漆の木」。シンプル且つ分りやすい名前です。年中無休で開いています。午前中は漆画教室が開催されています。午後はワークショップが基本ですが、教室も希望者がいれば開かれます。 ベトナムのこの気候で屋外にあるわけで、夏は座っていても汗が垂れるほど。研ぐなんて作業の時には、恐ろしく汗を書きます。 本物の漆は生きている樹木の香りがします。甘い魅惑的な香り。私にはある種、南国の香りとも一致するのが不思議。日本の漆もこんな甘い魅惑的な香りがするのかな。イメージとしてはもう少し静謐な香り、凛とした背筋が伸びるような香りの感じがするのだけど…。ご存知の方いらしたら教えてください。 ベトナムの漆は、日本の漆とは多少違うそうです。ウルシオールが主成分の日本の漆に対して、ベトナムの漆はラッコールが主成分。ベトナム漆は、日本の漆に比べると、もったりとしていて乾きが悪いそうです。しかしこれはあくまで日本の気候での話で、ベトナムの高温多湿の気候にはやはりベトナム漆が一番。例えば日本漆を使うと乾きが早すぎて作業にならないようです。 この漆に色の粉を混ぜて絵の具を作り絵を描くのですが、ちょうど教室にいいものがありました。 色と素材を組み合わせて様々なパターンを作ることが出来るのですが、これらはほんの一例です。色、卵殻、貝、金、銀がその主なファクターですが、色を塗った後、油や水を垂らして表面張力を利用して模様を作ったり、銀の粉の撒き方ひとつでパターンも変化が付きます。色を塗った後、布を被せて布目を出してみたり、驚くことにサランラップを被せて波様の模様を付けたり、工夫次第で色んなことが出来るのが、ベトナム漆の特徴です。 日本の漆でも、津軽塗の唐塗やななこ塗があります。漆で凹凸の模様をつけ、その上に色漆を重ね、これら色漆の層を研ぎ出すのがこの津軽塗の伝統技法らしいですが、ベトナム漆の技法はまさにコレ。計算して模様を作るというのは確かに必要ですが、かなりの部分で偶然の産物という可能性も期待でき、これがあるから研ぐのが楽しみでもあります。 普通、画家や職人などは自分が編み出した技は絶対に公開しないものなのでしょうが、ここの先生達は全く出し惜しみせずに私達に教えてくれます。(しかし、上手くいかないのよね~ヾ(- -;)) 午後になるとアシスタントの男性が、コツコツと師匠の言いつけ通りに製作しています。これは多分鏡になると思います。絵のフレームにしたらちょっと派手過ぎない?なんてことを、作品を見ては想像しているわけです。また作品を見て、あ、これはちょっと真似してみよう、なんてこともしばしば。 自然の漆に欠かせないのが、室(ムロ)と呼ばれる部屋です。漆を「乾かす」という言葉を便宜上使っていますが、厳密に言うと乾かしているわけではなく、こういう高温多湿の状態の中で漆を硬化させているというのが正解。 気温の高さも必要ですが、何より大事なのは湿気。つまり空気中の水分と漆の中の成分が化学反応を起こして、その結果漆が硬化するのです。そのため自然の漆を扱う場所には必ずこういう室があるわけです。 ここは常に他の生徒や参加者の作品があります。いつも必ず誰かの新しいものが入っています。中にはプロ顔負けのものも…。だからここを覗くだけで励みになるのも事実。よっしゃガンバるぞ~。(^ー^)ノ
by yukiazur
| 2006-07-22 02:01
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